住宅ローンを借りるときに頭金を用意するかしないか、用意するとしたらいくら準備するか悩みますよね。
この記事では頭金0円で住宅ローンを組むメリットとデメリットを紹介してます。
・メリット:住宅ローン控除をフル活用できる ・デメリット:借りられなくなる可能性や金利が高くなる可能性がある ・固定金利のほうが返済金額が増える ・固定金利より変動金利のほうが借入額を増やせる ・借入額を増やす理由だけで変動金利を選ぶのは良くない
頭金0円で住宅ローンを組むメリット
住宅ローン控除をフル活用できる
住宅ローン控除は、年末の住宅ローン残高に応じて所得税および住民税から税額控除を受けられる制度です。
そのため、頭金を極力減らして住宅ローンの借入額を増やせば住宅ローン控除の額も増えることになります。
住宅ローン控除には上限があるので注意
住宅ローン控除は上限があります。
また、そもそも支払っている所得税+住民税136,500円が住宅ローン年末残高の1%を下回っている場合、控除額をいくらあげても結局控除しきれません。
頭金0円で住宅ローンを組むデメリット
頭金0円の時点で審査に落ちることも
住宅金融支援機構による約300の金融機関に対する2020年度アンケート調査によると、約40%の金融機関が頭金(自己資金)の重要度が増していると回答しております。
そのため、申し込んだ金融機関によっては頭金0円ということが理由で審査に落ちることもあります。
借りられたとしても金利が高くなることも
仮に頭金0円でローンを借りることができたとしても、他の人より高い金利でローンを組むことになる可能性もあります。
住宅ローン控除をフル活用するために頭金0円にしても、高い金利でローンを組むことになったら本末転倒ですよね。
フラット35の例
頭金が住宅購入価格の10%以上or未満によってローンの金利が異なります。
頭金は用意するべき
住宅価格に占める住宅ローン比率のことを借入比率や融資率と呼びます。
この比率が高いと審査に落ちやすく、金利も高くなってしまう可能性がありますので、頭金はある程度用意することをおすすめします。
住宅ローンの審査は返済負担率が最重要
住宅ローンの審査で重要視されているもの
そもそも、住宅ローン審査で最も重要度が増しているのは何か(何を見ているか)というと、
返済負担率です。
返済負担率とは?
返済比率とも言われ、以下の計算式で算出します。
年間のローン返済額÷年収
返済負担率と借入上限
返済負担率をもとに借り入れ上限を決めている
金融機関は、この返済負担率を参考に、「この人には○○万円まで貸せる」といった借入額の上限を決めています。
フラット35は返済負担率を公開している
例えばフラット35では、年収400万円以上の人は返済負担率35%以下でないとローンを組めないことを公表しています。
借入上限がなぜ増えるか
変動金利のほうが借入上限が上がるロジックは以下のようになります。
①返済負担率は当初金利をもとに計算する
②変動金利のほうが金利は低い
③金利が低いほうが返済額は少ない
④返済額が少ないと返済負担率は低くなる
⑤返済負担率が低いと借入上限があがる
※実際の審査はもっと複雑です。
身の丈にあった借入額で
「固定金利では借入できないけど、変動金利なら借入できる」
こういった方は、金利が上昇した時に返済できなくなる可能性も。
借りられる額と返せる額はイコールではありません。
借入可能額を増やす理由だけで変動金利を選択するのはオススメしません。
住宅ローンは繰上返済せずに生命保険代わりにする手もある
団体信用生命保険(団信)
団体信用生命保険(以下、団信)住宅ローンの返済者が死亡・高度障害(がんや3大疾病などの種類もあり)などになった際に、住宅ローン残高が0円(返済不要)になる保険です。
民間の金融機関で住宅ローンを借りる際にはほとんどがこの団信の加入が義務付けられております。
低金利時代はあえて繰り上げ返済しない
住宅ローン減税は残高に対して控除額が決定するため、基本的には住宅ローン減税が適用になる10年間は繰り上げ返済をしないほうが良いです。
しかし、この住宅ローン減税が終了した後は利息を少しでも減らすため繰り上げ返済をしようと考えるかもしれませんが、ちょっと待ってください。
住宅ローンは団信が含まれているので生命保険代わりにもなります。
団信と生命保険の金額具体例
例えば、住宅ローン4,000万円を金利0.5%で借りていたとすると、住宅ローン減税が終わる10年後の残債は約3,000万円です。11年目は月に1.2万円の利息を支払いながらローンを負担しているわけですから、生命保険3,000万円を月1.2万円に入っていることとほぼ同義になります。
通常の生命保険とことなる点は、年数が経てば立つほど団信の保険金額が低くなっていき、保険料に代わる利息も安くなっていくことです。
20年目では約1,700万円の残債に対して月約7,500円の利息を支払っております。
30年目では約600万円の残債に対して月約2,500円の利息を支払っております。
生命保険の入りすぎに注意
住宅ローンは低金利時代は生命保険的な使い方ができるので、あえて繰り上げ返済せずに生命保険代わりに契約したままにしてもよいかもしれません。生命保険代わりに住宅ローンを残す場合は、通常の生命保険もダブルで契約している場合はその内容も見直し検討したほうがよいかもしれませんね。