実際に育休を取得しこれだけは確実に言えます
「育休とらないで働けば良かった」と思ったことは一度もありません
この記事が少しでも多くの方の育休取得のきっかけになれば嬉しいです
この記事でわかること
・育休取得するためには上司の押印をもらうだけでOK簡単です ・育休は会社の制度ではなく国の制度 ・最初の6ヶ月間は平均賃金の67%がハローワークから支給 ・7ヶ月目以降は50%がハローワークから支給 ・育休期間中は厚生年金保険料と健康保険保険料が免除(0円) ・平均賃金には交通費なども含めた育休に入るまでの直近6ヶ月間の支給額 ・育児休業給付金には上限金額がある ・男性版産休は不要な制度
男性育休取得について
育休取得を悩んでいる男性、旦那さんに育休をとって欲しいと思っている奥様の参考になればと思い、この記事を書きます。
まず、男性育休を取得してる割合は、6~7%程度であると厚生労働省が公表していますよね。
日本の少子化問題はこれだと思います。
昔は、「制度が整っていなかった」とか理由になると思いますが、今は?
普通に取得できます。
よく耳にする「男性が育休取得を拒む3つの理由」について実際に男性育休を取得した私の考えをお伝えします。
男性が育休を取得しない3つの理由
①会社がそういう雰囲気じゃない、制度がないと思い込んでいる
「うちの会社は男性育休の制度が無い」「男性育休に対して上司が後ろ向き」こういった話を聞いたことはありませんか?
大前提として、育休は国の制度です。
会社ごとにある・ないが決まるわけではありません。
労働者から育休を申請されたら会社は拒否できません。
コンプラに厳しい今の世の中では、仮に育休申請を拒否したらめちゃくちゃ叩かれてメディアにも取り上げられるレベルになると思います。
そもそも拒否できないですけどね。
②育休中は給料がもらえなくて金銭的に厳しいと思い込んでいる
「育休取りたいけど、休んでる間の給料が減るから取得できない」
これも良く聞く話ですよね。
こういった話をされる方に聞きたいです。
・育休中、どれくらい手取りが減るか計算したことありますか?
・育休中は給付金が支給されることをご存知ですか?
確かに、育休中は給与の支給が停止されます。
ですが、育休中は育児休業給付金という給付金が支給されます。
この給付金、侮ってはいけません。
育休取得~6ヶ月は育休取得前の67%支給され、7ヶ月~12か月は育休所得前の50%が支給されます。
え!?100%じゃないの!?67%や50%しか支給されないなんて!少なすぎてやっぱり育休は無理!と思った方、まだ話は続きます。
この育児休業給付金は給与所得ではないので、所得税や住民税がかかりません。
さらに育休中は社会保険料も免除になります。
つまり、毎月の手取りと比較すると思った以上に減らないです。
なんとなく減りそう、、ではなく実際に計算し、リアルな金額を見てから判断しましょう。
計算方法の詳細は後述します。
③申請するのが面倒だと思いこんでいる
育休申請書(紙切れ1枚)を人事に提出するだけです。
休みたい期間を書いて、上司のハンコを押して、「お願いします」と人事に提出。
以上です。
めちゃくちゃ簡単!
稟議書や企画を通すよりよっぽど簡単!
取得しない理由は、制度を調べないで無理だと思い込んでいるだけ
3つの取得しない理由を記載してみましたが、みなさんのイメージとあってましたか?
世の中には夫婦共働き世帯がめちゃくちゃ多いのだから、夫婦共育休が増えて当たり前だと思います。
私も最初は育休制度はよくわかりませんでした。
このわからないまま悩んでる時間がすごく無駄だと思いました。
悲しいですが、自分で調べたり主体的に動かないと、誰も教えてくれません。
それが今の育休制度です。
男性育休を取得された方に話を聞いてみたり、就業規則を確認したり、人事に相談したり、できることはたくさんあります!
育休中はいつもの手取額とほぼ変わらない!給付金の目安を知る!
育休中の給付金について知る
育休を取得するとお金の面がどうなるのか?
出産予定の奥さん、旦那さんは是非参考にしてください。
出産後1年以内(保育園に入ってない)の方も間に合います。
何度も言いますが、育休は会社の制度ではなく、
「国の制度」
そのため、私と同じように普通のサラリーマンは全員使える制度です。
具体的に育児休業給付金を計算
さて、実際に育児休業給付金を計算してみましょう。
まずあなたが以下のような給与を貰っているとします。
※皆さんも給与明細と見比べてみてください
基本給30万円+残業5万−厚生年金4万−健康保険2万−住民税2万−所得税2万
現時点(働いていると)では手取りは25万円
育休になるとどうなるか
育児休業給付金(最初の半年)
=36万円×67%=24万円
※基本給+残業代+交通費1万円/月とした場合で計算しています。
給付金24万円−厚生年金 免除!−健康保険 免除!−住民税 0円(給付金は非課税のため)−所得税 0円(給付金は非課税のため)
育児休業給付金の手取りは24万円。
働いているときと育休中の手取りはあまり変わらない
実際に計算してみていかがでしたか?
働いている時と育休の時でもらえる金額がほぼ変わらないのがわかります。
これを見て「お金が減るから育休を取らない」ってなりますか?
是非、本件をご夫婦で話し合ってみてください。
何度も言いますが、育休は国の制度です。
会社に制度がないなんて理由はありえない。
奥さんが出産予定の旦那さんもこの記事を読んだら考えてみてください。
昔はどうだったかはわかりませんし、上司や同僚がなんて言うかはわかりませんが、
昔や他人は、今の自分と比較できないです。
もっと社会が子育てがしやすい環境になってほしい!
こういった情報が閉鎖されすぎなんだと思います。
この記事が誰かの役に立つことを祈っております。
育児休業給付金に”上限金額”があるので注意
育児休業給付金の支給額には上限があります。
単純に67%、7ヶ月目以降50%というわけではなく上限が設定されてます。
この上限ですが、去年より今年の方が高くなってるようで、もしかしたら物価に合わせてスライドされてるのかもしれません。
何を基準に上限を決めているかは謎ですが、(どこかに書いてあるかもしれませんが)一律でないところが唯一の救いだったと思います。
こういう細かい部分も自分で調べておくことが大事です。
本当に誰も教えてくれないんですよね。
育休の実態:1ヶ月後〜育休復帰まで
育休1ヶ月経過してわかったこと「1人じゃきつい」
私が実際に育休を取得したからこそ、これだけは確実に言えます。
「休まないで働けば良かった」と思ったことは一度もありません。
産まれてから最初の1~2週間は毎日きついですが、
夫婦2人で1ヶ月も育休を経過すると、
「夜は少しつらくて、昼間は少し楽」が正直なところ。
これは夫である私の感想なので、妻はもしかしたら
「夜はすごく眠くて昼間も寝たい」かもしれないですが。
生後2ヶ月を過ぎると、平日しかあいていない病院に予防接種をうけにいかなければならないし
昼間は買い物にもいかなければならないし。
よだれや吐き戻しで汚れた洗濯をしないといけないし。。
1日3食ご飯を作らないといけないし。。。
布団もきれいにしたいけど既に洗濯物が多いし。。。。
寝てくれないし。。。。
おむつのゴミがすごいし。。。。。。
もし1人で育児をしていたとしたら普通にきついと思います。
2人で育休取得するのが正解だと思います。
もし仮に普通に働いていたら「育休とればよかった」と思うことが何度もあったかもしれません。
そう考えると、
心から「育休をとって良かった」と思っております。
育休開始4ヶ月後に育児休業給付金が振り込まれた
育休に入って実に4ヶ月目にして、育児休業給付金がハローワークから振り込まれました。
2ヶ月分が一気に振り込まれましたが、めちゃくちゃ遅いです。
「育児休業給付金決定通知」
こちらは振り込まれた後に人事から郵送されました。
この遅さは、人事のせいなのかハローワークのせいなのか。
原因は人事にありました
妻は育休に切り替わってから2ヶ月後に振り込まれていたので、
人事が原因でした。
会社の人事によってこんなにも差があるのかと感じました。
会社の規模とかにもよるんでしょうが…
給付金額
そして気になる給付金額はというと、
育休に入る前6ヶ月間の平均賃金(交通費を含み、ボーナスは除く)の67%なので、
(最初の6ヶ月は67%、7ヶ月以降は50%)
「普通に働いてた時の手取り」とほとんど差がないぐらいもらえました。
むしろ、残業が少なかった月の手取りより多かったです。
そのため、普通に生活には困りません。
ちなみにこの6ヶ月間の平均というのは、
手取りではなく、社会保険料などが引かれる前の金額です。
交通費をたくさんもらってる人なんかは計算が有利になりますね。
しかもこの育児休業給付金については住民税も所得税もかかりませんから、
全額が手元に入ってきます。
育児をしていても、このようにいつも通りのお金がもらえるなら、
育休をとらない意味はどこにあるんでしょうか。
もっと多くの方に育休のリアルを知っていただき、
男性育休を取得する人が1人でも増えてくれたら嬉しいです。
会社から育休終了予告の電話&書類
育休も残り1ヶ月になる時、会社の人事から電話がありました。
「育休の延長予定はありますか?予定通りの復職でよろしいでしょうか?」
私の会社は育休の延長をする場合、復職予定の1ヶ月前までに人事に連絡すること と規定で決まっております。
人事から聞かれた内容は以下の通り
・育休の延長をするか?
・復職にあたって何か希望はあるか?
希望については、
たぶん時短勤務や残業できない人などは事前に伝えるのだと思います。
もしかしたら元いた部署への復職以外にも、配慮して部署異動される可能性もあるのかも?
また、こちらからも質問をしました。
・どこの部署に復職するかなどは正式に連絡くるのか?
・復職日はどうすればよいか?
これらについては、
改めて電話するとのことで会話終了。
電話をした数日後、
“育休終了日”と”復職日の日付”が記載された会社書式の書面1枚が送られてきました。
んー、こういう無くても良い物ってデータで良い気がするんだけど。。
そう思いながら、いよいよあと1ヶ月かと少し緊張!
育休中って、資格取得しました!とか、転職活動しました!とか言う方がいるかもしれませんが、私はどちらもしてません。
育児をしてました。
資格取得だって、転職活動だって、復職してからでも出来ますからね。
育児は”今”しかできません。子供は日々成長しています。今日の子供に会えるのは今日だけです。
男性版産休(育児休業法改正案)は男性育休の実態に即してない
男性版産休とは
前々から男性育休を促進しなければと言いつつも、未だに日本の男性育休取得率は7%程度。
しかも取得日数は10日以内がほとんどだそうです。
10日で何がわかるの?って感じですよね。
そんなボロボロの日本の男性育休取得を促進するための法案が、
このコロナ禍で全然ニュースにとりあげられてないですが、
2021年4月16日参議院本会議を可決し法改正へと進んでいました。
しかし!
その実態はトンチンカンな内容。
改正法案の中身を確認しましたので、
簡単に紹介します。
男性版産休の主な変更点
・出生時育児休業
・出生時育児休業給付金
の創設
ですが、この内容が、創設する意味があるのかわからないレベル。
その特徴は主に5つ
- 生後8週間以内に最大4週間取得できる。
- その4週間は2分割して取得することもできる。
- 出生時育児休業中は就労することもできる。
- 出生時育児休業給付金の支給額は67%
- 出生時育児休業給付金を受給していた期間は、育児休業給付金で67%支給される180日間の期間に含める
いろいろ意見があると思いますが、私の感じた意味不明ポイント5つに絞って紹介させていただきます。
①なんで育休中に働かせようとしてるの?
⇨厚生労働省の分科会資料をみると、”女性が産後休業期間中であり育児をすることができる者が存在する場合もある”とのこと。
出産は交通事故と同じぐらいの負担ってよく聞きますよね。母体のことを何も考えてない、育休なんて無縁の人たちが考えた法案であるとすぐに推測できました。
②なぜ男性だけが育休中に仕事ができる?
⇨現在の育休は男女ともに働いちゃいけないことになってます。それがなぜ、男性だけは働いてよいことになるのか。
ジェンダー平等を実現しようってSDGsの中に項目があったと思うけど、また昔のような考えに戻るのか。そもそも男性は女性より優れている仕事をしているのか。性別って関係ある?
男性はなぜ仕事を休まないの?
③「今までの育休と違って申請は2週間前まで受け付けられます」って何当たり前のこと言ってるんだ?
⇨そもそも出産は前後するのが当たり前なのに、ちんたら「1ヶ月前までじゃないと受付できません」って。いつもの行政特有の、紙でやりとりしてたり無駄な時間使ってるだけでしょ。業務効率化をすれば普通にできるにきまってるでしょ。
④「育休中の給付水準の引き上げは見送り」
⇨なんで?
高所得者の児童手当とか削減しておいて。なぜ見送りは許されるの?
⑤これが菅首相キモ入りの政策なの?
しょぼすぎて何も言えないです。
かたちだけ育休取得する男性を増やしたいだけ。
実態は”育休中も働くことができる“を行使。
「休めないのに、会社が育休とれってうるさいから」
って会話が増えるだけ。
結果、育休とって働いてるんです。
結論:何も変わらない。
以上が、
4月16日参議院本会議可決された改正法案を見て私なりに解釈した内容です。
もしかしたら誤りがあるかもしれませんがその際はご容赦ください。
本当にこんな法改正で良いのか?
コロナ禍でほとんど報道されてないので、もっと世論が高まってほしいです。